企業の価値を調べる初心者向けファンダメンタルズ分析

公開日:2017/04/07 更新日:2017/04/10

ファンダメンタルズ分析

株に投資をする時は買いか売りかを判断する必要があります。売買の判断のためにはしっかりとした根拠が必要になります。株には二つの代表的な分析方法があり、ひとつは「ファンダメンタルズ分析」、もうひとつが「テクニカル分析」です。

そもそもファンダメンタルズ分析とは

ファンダメンタルズ分析とは、企業の本質的な価値を測定するという分析手法です。株価は企業の本質的価値を反映して決まるものという考え方があり、株価と本質的価値の間にギャップがあった場合でも時間がとともにギャップが埋まることが予想されます。

売買の判断としては、企業の本質的価値と株価のギャップを利用します。本質的価値が株価よりも安い場合は『買い』、本質的価値が株価より高い場合は『売り』という判断をしていきます。

また、個別企業だけを分析するのではなく、経済活動全体の状況を把握するということもファンダメンタルズ分析の範囲に入ってきます。経済成長率、失業率や物価変動などを分析していきます。

テクニカル分析との違い

ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の違いは、ファンダメンタルズ分析が企業の本質的価値を把握するために売り上げなどを調べるのに対して、テクニカル分析では株価の日々の動きを表したチャートというグラフを用いて分析を行う手法のことです。

テクニカル分析は株価の流れを読み解くための分析手法で、上昇トレンドなのか下落トレンドなのかなどを把握するために用いられる手法です。

テクニカルとファンダメンタルズはどちらが正しいのか?という論争を時々見かけますが、結論をいうとどちらも必要になるということです。それぞれに得意と不得意の部分があり二つの分析手法をあわせることでそれを補うようにしていきます。

企業の何を調べるか?

ファンダメンタルズ分析で企業を見る場合に何を調べるかというと、企業が儲かっているか?資産はたくさん持っているか?効率的な経営を行っているか?を調べていきます。そして調べたことが今の株価と比べて妥当なのかどうかを検証していきます。

企業が儲かっているのかどうかは企業の利益を見ます。一番わかりやすいものが企業の一株あたり利益(EPS)です。これは企業の純利益を発行済みの株数で割って一株あたりどれくらいの利益を稼いでいるかを見ます。大切なのはその金額が継続的に伸びているかどうかです。

資産をたくさん持っているかどうかどうかは純資産の額をみます。純資産を発行済み株数で割ったものを一株あたり純資産(BPS)です。こちらも継続的に伸びているかどうかを確認しましょう。

企業が効率的な経営を行っているかどうかを見る指標は様々なものが存在しています。しかし、近年日本の投資で重要視されている指標として株主資本利益率(ROE)というものがあります。注目されている理由は日本取引所がROEの高い企業を優先的に組み入れた指数JPX400という指数を導入したためです。(参照:JPX400概要|日本取引所グループ

ROE=当期純利益÷株主資本で求めることができます。株主資本とは名前のとおり株主が出資した資本のことです。株主のお金を使ってどれだけ純利益を稼ぎ出しているかをあらわしています。ROEが高い企業とは株主のお金を効率的に活用して儲けている企業となります。

ファンダメンタルズ分析の弱点

ファンダメンタルズ分析は基本的には中長期投資を前提としています。なぜなら、いくら本質的価値と株価の間にギャップがあったとしてもその修正には時間がかかるからです。短期的な日々の株価の動きは人気投票ですが長期的には本質的に収斂していきます。

もし短期的に儲けようという方はファンダメンタルズ分析だけでは、難しいためテクニカル分析もあわせて使う必要がある。

株価とのギャップを調べる「PBR」と「PER」

ファンダメンタルズ分析では企業の本質的価値と株価のギャップを見ることで投資判断を行うと説明しましたが、その時に役に立つ株式指標があります。それが「PBR」と「PER」です。この二つの指標は株価と企業の価値の関係性を表したものになります。Yahooファイナンスなどでも簡単に見ることがでる指標です。(参照:Yahooファイナンス

企業の資産からギャップを調べる「PBR」

PBRとは企業の一株あたりの純資産(BPS)に対して株価が何倍まで買われているかをあらわした指標になります。一株あたり純資産とは理論上もし企業が解散をしたときに株主が受け取る権利がある資産になります。

PBRの倍率が1倍のときBPSと株価が同じという状況になり、解散価値と株価が等しいことを意味しています。PBRが2倍のときは株価がBPSの2倍にまで達しているという意味になり、0.5倍のときは逆に株価がBPSの半分になっているということです。

企業の利益からギャップを調べる「PER」

PERとは企業の一株当たりの利益(EPS)に対して株価が何倍まで買われているかを見る指標になります。例えば、ある企業のEPSが100円で株価が1,000円のときPERは10倍になります。倍率が高くなればその分割高になっていき、額に倍率が低くなればその分割安になるということです。

ファンダメンタルズ分析の必需品「会社四季報」

ファンダメンタルズ分析をするときは会社四季報があると便利です。投資家にとって必要な情報の大半が網羅されています。PER、PBRやROEだけでなく企業の売り上げ、営業利益や純利益なども把握することができます。また、四季報予想などもあり非常に参考になります。辞書のように分厚い本になりますが、非常に使える本になります投資初心者も準備しましょう。

まとめ

「PBR」と「PER」ともに株式投資の時にはよく見る、よく使う指標になります。どちらも絶対的にこの水準以下なら割安割高とはいえませんが、一般的には市場全体の平均値に対して倍率が高いかどうかなど、他と比較して使う指標になります。市場全体のPERとPBRを見るには「モーニングスター」というサイトを参考にするとよいと思います。

「ROE」に関しても日本全体の平均に比べて高いかどうかを判断材料とするとよいです。日本企業の5年平均ROEの分布は4~10%あたりに集中しています。ただ日本企業のROEは米国企業などに比べてかなり低い水準であるため平均よりもかなり高い数値を出している企業を選ぶようにしましょう。ちなみに米国企業の5年平均ROE分布は10~20%台に広く分布しています。(参考:ROEの性質と利用する際の注意点 – 大和総研