初心者が騙されないために知っておくべき投資信託の選び方

公開日:2017/04/27 更新日:2017/04/27
  • ・銀行や証券会社から言われるがまま投資信託(投信)を購入している
  • ・毎月、投信から分配金が入ってくるが正直よく理解していない
  • ・そもそも投資信託の仕組みを理解せず勧められて購入している

 

銀行や証券会社の窓口で勧められて投信を購入している方の多くはこのような状況で保有を続けていると思います。

しかし、自分の大切なお金が減る可能性もある投資で理解しないまま続けることは危険なことだと思います。

金融機関の言いなりではいけない理由と投信を言いなりにならずに自分自身で選ぶために必要な最低限の知識を説明していきます。

金融機関のいいなりだけでは危険

銀行や証券会社は金融商品のスペシャリストです。専門的な知識を持って顧客の資産運用が上手くいくように様々な情報を提供してくれます。

それの情報は非常に参考になります。それと同時に金融機関も営利企業であり、自分たちも利益を出して稼いでいかなければなりません。

そのため、金融機関から提供される情報だけで投信を選ぶことは避けて、自分自身の判断基準を持って投信を選ぶことが必要になります。

日本で売れている投信は販売手数料が高い

(参照:金融庁事務局説明資料

日本の投資家に売れている投信(純資産額ベース)の上位5つの手数料平均を見ると3.20%、信託報酬の平均は1.53%という数字になっています。

一方、米国の投資家に売れている投資信託(ファンド)の上位5つの手数料平均は0.59%、信託報酬は0.28%となっています。

日本の投信の手数料がいかに高いかが理解できる表になっています。さらに注目すべきところはパフォーマンス(運用成績)についてです。過去10年平均が日本ではマイナスになっています。

この図を見ると日本ではパフォーマンスがよい投信ではなく、手数料が高い投信が売れているという状況が読み取れます。

普通、投資家は手数料の安いもの、パフォーマンスは高いものを購入したいはずです。しかし、そうなっていない理由の一つには販売側の思惑が強くでているからではないかと推測できます。このような投資はリスクが高いといえます。

毎月の分配金はすべてが利益というわけではない

個人投資家の間で人気になっている投信の種類は毎月分配型の商品になっています。

(参照:金融庁事務局説明資料

2012年3月から2016年3月の日本での投信の売れ行きを見ているとほぼ上位は毎月分配型の商品になっています。

人気の理由は毎月定期的に分配金が入ってくるため年金の少ない年金の足しになると考えて購入されるケースが多いです。

しかし、この毎月の分配金は株式の配当とは違いすべてが利益から配分されているわけではありません。毎月設定されている決算日に投信の純資産から分配金の合計を切り崩して配分するというのが仕組みです。

つまり、投資信託が購入している資産が値下がりをして純資産が減っている場合、その分配金は実質元本の払い戻しになっているだけです。

自分が支払ったお金を切り崩して受け取っているということです。分配金の利回りの高さだけを見て投資商品を選ぶと失敗のもとですので注意しましょう。

ちなみに、自身の元本を切り崩して分配金を出している状態をたこが自分の足を食うことに例えてたこ足分配と呼びます。

たこ足分配かどうかは目論見書とレポートから判断できる

毎月分配型の投資信託が毎月の分配をどれだけ元本の切り崩しで負かっているか(たこ足分配)を知る方法があります。

それは投信の運用会社が発行しているマンスリーレポートや販売時に渡される目論見書の中に実は記載があります。(販売時にそこまで説明してくれる営業マンは少ないですが)

新光US-REIT(ゼウス)とは日本でかなり純資産が多い毎月分配型の投資信託になります。上の図はマンスリーレポートの一部になります。

分配金と書かれている欄が毎月の分配金の金額になります。4月5日は50円の分配金が支払われていることになります。

一方で投信の収入であるインカム(配当などの収益)は17円しかありません。つまり33円(50-17)がたこ足分配になっているということです。

この状態でも、キャピタル(値上がり益)と為替収益が33円よりもプラスであれば、基準価格は上昇としたことになりますがこのデータをみると、キャピタルは-42円、為替は-85円という状況で信託報酬のマイナスも合わせると合計で165円ものマイナスとなっています。

これでは、どれだけ分配金をたくさんもらっていても元本とあわせた収支はマイナスとなってしまいます。

このことをよく理解しておきましょう。

投資信託を選ぶときのポイント3つ

手数料は安いものを選ぶこと

確実に投資信託のマイナスパフォーマンスとなる手数料(購入手数料と信託報酬)は安いものを選ぶ。

今現在の売れ筋商品の手数料平均は3%が主流になっています。まず、これより高い手数料の商品は避けたほうがよいです。

100万円を投資して3%手数料が取られたらいきなり97万円からのスタートです。銀行預金の金利と比べるとやはり高すぎます。

信託報酬の金額に関してもよく見ておく必要があります。購入手数料に比べて信託報酬は率が低いためあまり気にされない方が多いです。

しかし、信託報酬は保有期間中常に発生するコストになります。これが高ければ毎年固定的にマイナスパフォーマンス要因になります。

目安としては1%を超えるものは避けましょう。

分配金の額に惑わされない

毎月分配型の商品は分配金の年間利回りだけをみると非常に高利回りで魅力的です。(ものによっては年間20%に近い利回り商品もありました)

しかし、先ほどご説明したように元本が目減りしていくようでは分配金をたくさんもらっていても意味がありません。

営業マンは分配金の金額を売りにしてきますがそれよりも実際のパフォーマンスがどうなのかをしっかり見るようにしましょう。

手数料無料の投資信託もある

投資信託の種類はかなりの数があります。その中にはほとんど同じ運用内容にもかかわらず別の商品として売り出されているものが多くあります。

投信の手数料は商品ごとによってまた販売会社ごとに異なるため、勧められたか自分で見つけたかは関係なく同じような商品で手数料が安いものがほかにもないか、もしくは他の販売会社で手数料が安いものがないかを調べる必要があります。

場合によっては手数料が無料という商品(ノーロード)も存在しています。もしくはETF(上場投資信託)のほうがよい場合もあります。

(ETFの詳細はこちらをどうぞ「株初心者にETFをおすすめする3つの理由」)

まとめ

投信は勧められるままではなく自分で判断できる基準をもつことが大切です。

金融機関は顧客へ専門知識を持って資産運用のアドバイスをしてくれます。しかし、企業として利益を出さないといけない面もありただ言いなりになるだけでは危険です。

例えば勧めてきた商品がよい商品であっても、他社を探せば購入手数料がもっと安ものがあったり、運用対象の商品が同じ別商品のほうが信託報酬も安かったりということはよくあります。

金融機関が悪いというわけでは決してありませんが、自身の大切な資産を守るためにも自分で判断できるだけの知識は持っておきましょう。