NISA(ニーサ)とは?株初心者のためにわかりやすく解説

公開日:2017/04/03 更新日:2017/04/10

平成26年1月より制度が開始となったNISA。テレビや雑誌などでもよく目にすると思います。またイメージキャラクターには有名人が起用され、何となく気になっているという方も多いのではないでしょうか?

そんなNISAに対してぼんやりとした印象しかないという人のために、この記事では今さら聞けないNISAについてのポイントをまとめたいと思います。簡単にいうとNISAとは投資用の非課税口座のことです。

株式投資などで利益が出た場合、所得税や住民税がかかりますが、NISA制度を利用すると非課税になるというメリットが大きい制度です。内容を正しく理解して有効に活用できるようにするのがこの記事の目的です。

NISA口座の仕組みと購入可能な商品

NISA制度(ニーサ制度)とは少額投資非課税制度の愛称で、もともとイギリスで始まったISAという非課税制度をお手本としており、日本版という意味でNIPPONのNを先頭につけたというのが名前の由来です。発祥のイギリスでは広く普及している制度で国民の4分の1が利用して資産運用を行い資産形成のツールとして活用しているそうです。

日本人の金融資産の内訳は「現金・預金」52%、「債券・投資信託・株式」16.1%、「保険・年金」29.1%、「その他」2.8%と圧倒的に現金預金の比率が高くなっています。(参照:2016年第4四半期の資金循環(速報)日本銀行調査統計局)低金利の今の状況での資産形成は難しくなっており、政府としてはこの制度を貯蓄から投資への流れの起爆剤にしたいという考えが根底にあるようです。

NISAとは投資用の非課税口座のこと

NISA口座(=少額投資非課税口座)を活用して証券会社で国内株式を購入すると、その商品を売却したとき、譲渡益(売却益)が出ていれば本来とられるはずの税金(所得税など)を非課税(税金がかからない)とすることができます。

ただし非課税投資枠には上限が決められており、一人年間120万円までの買付が非課税枠となっています。また、非課税となる期間は5年間となっています。

時々勘違いされる方がいますが、買付けや売却時に支払う売買手数料が無料になるという制度ではありません。また、手数料の消費税が非課税となる制度でもないので消費税はかかります。

NISA口座(ニーサ口座)は証券会社の他に銀行、郵便局などの金融機関でも口座開設をすることが可能です。しかし、一人一金融機関という決まりがあり、複数の金融機関で口座を開設することはできないことには注意が必要です。

NISAで買える商品は「株」・「投資信託」が基本

NISAの制度を利用して購入できる金融商品には上場株式のほかに、上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(REIT)、株式投資信託などがあります。

一方対象外の商品としては、個人を対象として国が発行している個人向け国債や企業が発行している社債そして預貯金などです。つまり、元本が保証されているものにNISA口座は活用できないということになります。

NISA口座を利用できないものとしてもうひとつ注意しておかないといけないものが、すでに保有している株式をNISA口座へ変更するということです。NISA口座に入れられるのは新規投資での買いつけということになります。

NISA口座開設に必要なものは「住民票」と「マイナンバー」

NISA口座を開設するにはいくつか必要書類を準備しなければいけません。ひとつは、平成25年1月1日時点の住所が乗っている住民票が必要になります。またマイナンバーカード(個人番号カード)に記載されている個人番号を知らせる必要があります。

口座開設にあたって注意しないといけないのは、申し込みをしたその日から活用できるものではなく、口座開設手続きが完了するまでにはしばらく日にちがかかります。

NISA口座開設手続きを行ってから実際にNISA口座開設完了するまでには証券会社ごとにばらつきがありますが2週間から3週間ほど時間がかかる可能性があります。(詳細は証券会社にお問い合わせください)

もし将来的に活用を考えていらっしゃるのであれば、前もって口座開設だけを済ませておき、いつでも活用できる状態にしておくのが最適です。投資はタイミングがとても重要になります。絶好の買いタイミングで口座開設が間に合わないのはもったいないです。

NISA口座利用時の注意点まとめ

NISA口座はこれまでの課税口座(普通の口座)とは扱いがまったく異なります。NISA口座特有の取引ルールなどが存在しており、気をつけなければならないポイントがいくつもあります。間違うと非課税のメリットが受けられない可能性もありますので、順番に説明していきます。

NISA口座は使いきりで売却しても枠はもどらない

NISAは普通の口座と同じようにいつでも株式を売ったり買ったりすることができます。しかしいくつか特殊なルールがあります。

NISAを活用した商品の売り買いで気をつけなければならないのは、その年のNISA枠(120万円)を使ってしまうと、その年はもうNISAが使えなくなってしまうということです。たとえNISAで購入した株を売却したとしても、その枠は復活しません。

例えば、今年NISA枠を利用して80万円の株を購入したとします。その株を同じ年に売却したとしても、利用できるNISAの枠は40万(120万円-80万円)になります。また、同じように80万円の株を購入しようとするなら次の年の1月になるのを待たなければなりません。

その他には、投資金額が120万円を超える場合は120万円以内に納まる単元株数までが非課税対象となります。

NISA最長期限の5年になったあとは3つのパターン

NISAの非課税期間は5年間になりますが、もし期限の5年に達した場合は「ロールオーバー(持ち越し)」、「課税口座への移管」、「売却」の3パターンがあります。

一番簡単な方法は、NISA口座の期限が切れるところで全部を売却してしまう方法です。売却時点の時価で清算してしまいます。

課税口座(NISA以外の口座)への移管は、これまでNISA預かりであった株を普通の口座へ移すやり方です。移管後は一般の株と同じように保有し続けることができます。しかし注意点として、普通の口座へ移すタイミングの価格が取得価格になるということです。

例えば、NISAで購入したときの単価が100円で、5年後の株価は80円に値下がりしていましたとします。このときNISAから普通の口座へ移管すると、今後は100円だった買い付け単価が80円で計算されることになります。

最後がロールオーバーという方法で、来年のNISA枠を使って現在保有しているNISAを継続させるという方法です。ロールオーバーさせることで、また5年間非課税扱いで株を持ち続けることができます。

ロールオーバーの時の注意点は、来年の非課税枠を使用するので、来年はもうNISA口座の枠は残っていないということです。それから、現在保有の株が値上がりをして120万円を超えている(NISA枠の上限以上)場合、超えた分は売却か課税口座へ移すかしかできないということです。

配当金は「株式数比例配分方式」でなければ非課税にならない

NISAで購入した株式の配当金に関しても譲渡益税と同じように非課税にすることができます。しかし、証券会社への手続き内容によっては非課税にならないケースがあります。

それは、「株式数比例配分方式」を選択しているかどうかということです。株式数比例配分方式とは、簡単にいうと企業から配当金が支払われた場合に取引のある証券会社経由で受け取るという設定になります。

今の配当金の受け取り方が自宅に届く紙を持って郵便局へもらいに行っている方は、恐らく株式比例配分方式に設定されていないため、今の状況でNISAを活用して株を購入していても配当金は非課税になりません。証券会社で設定の変更が必要になります。

NISA口座のデメリットは損益通算ができないこと

NISA口座は株取引などの税金を非課税にすることができるメリットがありますが、一方で損が出た場合は他の株の利益と損益通算をすることができません。普通口座(特定口座)では同じ年に利益と損失が出た場合は損益通算をすることができますがNISAではできません。

また、損失は確定申告することで3年間繰り越すことができまずが、NISA口座で発生した損に関しては確定申告しても損を繰り越すことができません。

損益通算が一切できないということがNISA口座のデメリットとなります。

NISAで買うなら「投資信託」とよりも「株」がおすすめの理由

NISAは年間利用できる枠が決まっているため購入する商品は何を買うべきか悩むところです。債券などは非課税の対象にならないため「株」か「投資信託」になると思います。

非課税のメリットを最大限に活かそうと考えるなら株を買い付けることをお勧めします。なぜなら、投資信託の場合は株よりも値段の動きが比較的小さいため税額がそれほど大きくなりません。また、投資信託の分配金も非課税扱いにできますが、分配金は株の配当金と違い、元本が損している状況で払い出されるときはNISA口座でなくても税金がかからないからです。

また投資信託は多くの人があまりわからず購入していますが、年間管理費というものがあります。投資信託の目論見書をみると「運用管理費用」という項目があり、年率1.6524%と書いてありますが、これが年間の管理費なります。年率分だけ純資産が削られていっています。つまり仮に投資信託が保有している資産の値段が一切動かなかったと仮定すると、運用管理費分値段が下がることになります。

NISAは長期投資向きの商品といわれますが、値上がりを大きく狙える株を買うと一番節税効果が大きくなります。

NISA口座の金融機関の変更はタイミングに注意が必要

NISAは一人につきどこかひとつ金融機関でしか口座開設できません。しかし、年単位で他の金融機関への変更が可能となっています。(制度導入当初は4年間変更できない決まりでしたが平成27年1月以降は変更ができるように制度改正が行われました)

もし取引口座を他の証券口座に変更したいと考えているなら年単位で可能となります。ただし、金融機関を変更したとしてもすでにNISA口座で保有している商品は次の証券会社へ移すことはできません。

金融機関を変更するときは、変更年の前年の10月1日から、変更年の9月30までに手続きをしなければなりません。例えば、2018年のNISAを他社の証券会社に変更しようと考えている場合、2017年の10月1日から2018年の9月30日までに手続きを行えば変更ができるということです。

JrNISA(ジュニアNISA)制度とは

平成28年4月からジュニアNISA口座(未成年者少額投資非課税制度)がスタートとなりました。こちらのジュニアNISAに関しても通常NISA(成人NISA)と同じように売却益や配当などの利益を非課税にすることができます。

しかし、成人NISAと違い制限がいろいろとかかっている点に注意が必要です。例えば払い出しの制限があり口座名義人が基本的には18歳になるまではお金を引き出すことができません。

また、利用の限度額は成人NISAが120万円だったのに対してジュニアNISAは80万円となっています。

まとめ

NISA制度は非課税という大きなメリットがある制度ですが、新しくできた制度で使い方などがまだしっかりと認識されていない状況です。

正しい知識を持って制度を有効に活用するようにしましょう。