口座開設のとき出てくる特定口座と源泉徴収あり・なしを理解する

公開日:2017/04/04 更新日:2017/04/10

私が証券マン時代、新たに株式投資を始めようと口座開設されるお客様で、まずご質問いただいたのは「特定口座ってなんですか?」「源泉徴収ありとなしではどう違うのですか?」ということでした。

「特定口座」という言葉は普通に生活をしているだけでは中々出会うことない言葉かもしれません。なれない証券会社で、はじめて聞く言葉は難しく感じる方が大半だと思います。

ここではそんな方に特定口座の意味や仕組み、結局口座開設はどれを選択したら良いのかをご説明させていただきたいと思います。

証券会社の口座の種類「特定口座」と「一般口座」

証券会社で商品を買うための口座を大きく分類すると2つに分けることができます。それは「特定口座」と「一般口座」です。この2つの分類の違いは、株取引で損失と利益の額の計算を『誰がするのか』によって分けることができます。

誰が計算するのかというのは2つパターンがあります。一つ目は自分自身が計算する場合と、もうひとつは証券会社が代理で計算をするパターンに分けます。

株取引の利益額や損失額の計算を自分自身で行うのが「一般口座」、証券会社に代理で計算してもらうのが「特定口座」になります。特定口座は一般口座に比べて非常に楽な口座ということができます。

一般口座で開設を行った場合、株を買い付けした時の取得価格・株数・取引手数料などを足した取得費の明細を保存しておく必要があります。なぜなら、その取引明細をもとに損益の計算を行うからです。

ちなみに、一般口座で昔に購入した株の取得価額がわからない時、10年以内であれば取引した証券会社に記録が残っているので取引履歴の書類を送ってくれると思います(取得日がわかればスムーズ)一度確認してみてください。

一方で、特定口座で開設を行った場合、証券会社があなたの代わりに売り買いをした時の値段、株数、取引手数料などから取引の損益を自動的に計算してくれます。記録は年間取引報告書という形で年に一度郵送してくれます。だいたい1月に前年の年間取引報告書を郵送してくれます。

ところで、なぜ株式取引における損失額と利益額を計算する必要があるのかというと、上場株式の取引で利益が発生した場合、その譲渡利益に対しては所得税と住民税などの税金がかかります。年間合計が損の場合は税金がかかりません。

 

税金と聞くと何か不安な気持ちになりますが、これは投資家すべてに投資金額など関係なく適応されるもので、特別なことではありません。

税金関係では株式売買による売却益のほかに投資信託解約の際の譲渡益や配当金と分配金による配当所得にも税金がかかります。

実は、特定口座と一般口座のほかに比較的新しい制度としてNISA口座(少額投資非課税口座)というものがあります、詳しくはこちらを参照してください。

NISA(ニーサ)とは?株初心者のためにわかりやすく解説

特定口座の源泉徴収ありとなしの違いは?

次に、特定口座にも二つの種類があり、「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2つです。この2つの分類の違いは誰が税金の申告手続きをするかによって分けることができます。

株の取引において利益が発生した場合、税金を申告し、支払わなければなりません。その時自分の代わりに証券会社に税金の申告と支払いをお願いするものが「源泉徴収あり」という制度で、ご自身で税金の申告と支払いを行うのが「源泉徴収なし」という制度になります。

例えば、株取引で保有銘柄変更のため売却取引をし、利益がでた場合に「源泉徴収なし」の口座を選択されていると、確定申告の時期(2月から3月)に1年分(1月から12月)までの税金を申告して税金を納めなければなりません。

一方、「源泉徴収あり」の口座を選択すると、あなたはご自身で確定申告することも税金を納める手続きもする必要がありません。すべて取引している証券会社が代理で手続きをやってくれます。

このようにありを選択すれば証券投資においても給与所得者(サラリーマン)のような源泉徴収制度を利用することができます。

一般口座は選ばないほうがよい理由

ちなみに、前述した一般口座の場合、譲渡益がでるとご自身で譲渡益と譲渡損失の損益通算を計算して確定申告をする必要があります。つまり、損益の計算から申告書を作成して税金の納付まですべてご自身で手続きしなければならないものが一般口座になります。

そのため一般口座での口座開設はおススメできません。現在ではほとんどの証券会社で口座開設のときに一般口座をおススメすることはないと思いますが、選ぶときは特定口座での開設を選ぶようにしてください。

複数の証券会社で損益通算するときは確定申告が必要

特定口座を開設しておけば、損益の計算は証券会社が代理で計算してくれますし、源泉徴収ありを選択していれば確定申告をせずとも損益通算をした分の税金を証券会社が代理で納めてくれます。

しかしこれは同じ証券会社の中での株取引でしか適用されません。複数の証券会社の間の損益通算には確定申告が必要になります。

例えば、特定口座の源泉徴収ありを選択している場合ときA証券で100万円の利益がでている、B証券では50万円の損が出ている状況で、何もしなければ約20万円の税金を納めることになります。

もし、確定申告をしてA証券とB証券の損益通算を行った場合は、税金は約10万円にすることができます。(100万円-50万円=50万円、50万円×20%=10万円)

結局どの口座を選ぶのが良いのか?

これから口座を開いて株の取引をはじめようと考えているのであれば、一番のおススメは「特定口座の源泉徴収あり」です。

理由は一番簡単でわかりやすいからです。特定口座を開設しておけば、売買損益の計算は取引ごとに証券会社が自動的に計算をしてくれます。

源泉徴収ありの口座を選択すれば、利益に対する税金も証券会社があなたの代わりに計算をして納税まで自動的にやってくれます。

ただ過去3年以内に株式の売却損があるという投資経験者の中には、毎年確定申告しておけばその損を繰越控除することができるという理由で源泉徴収なしを選択される方もいます。

ですが国内株式の初心者であれば税金関係のトラブルに巻き込まれて税務署に目をつけられる自体をさけるために源泉徴収ありの口座を私はおススメします。

特定口座の源泉徴収『なり』から『あり』へ変更する方法

現在、特定口座の源泉徴収なしを選択されている人が源泉徴収ありへ変更する方法は、取引をしている証券会社に申し込みをするだけで変更は可能です。しかし、変更するためには条件がととのっている必要があります。

特定口座の源泉徴収ありへ変更できる条件は、変更をする年に特定口座に預けている投資商品の売却がないことです。もし、特定口座ないでの売却をしてしまうとその年は変更ができないことになります。